かけ声はよく聞きますが・・・。
題名は「
乗ろうよ!ローカル線
」です。
鉄道関係本に分類しました。
鉄道ローカル線の実態を「経営」と視点や客観的な「数字」で見つめ、そこにある本当の問題を見出している・・・・、と思ったのですが、ちょっと肩透かしを食らった感じです。
確かにチョコチョコと統計的手法を使って分析しているところもありましたけど、いかにも片手間、やっつけ仕事的な感じ。
それよりも、読み手の感情に訴える、「文章」による「情緒的」な論による部分が目立ちます。
全国各地で、衰退や廃止が進んでいる鉄道交通の実態も、どちらかといえば扇情的、感情的に訴えているのです。
そんな現状の中、再建、再興に汗する人たちの文章をどっかり載せて、(ゆえに、前後の著者の論との関係がつかみきれなかったりします)臨場感や現場感、さらには「苦労感」を必要以上にあおっている感じがします。
そして、どうやら地方鉄道の「廃止」の風潮には待ったをかけたくて、それは「公共」として社会全体で戦略的に支えていく必要がある、と訴えていきたいようです。
このあたり、あまり論理的でも客観的でもなく、ただ著者の感情として、主観的に語っているような気がします。
経営の数字とか、統計とか、どこかへ行ってしまいました・・・。
著者は、「鉄道」に損益では計れない「公共性」を訴え、相反する最近の「赤字だからいらない」という風潮には一石を投じているのは確かです。
この点は一理あって、あまり反論の余地はありません。
しかし、「国鉄」がかつて、この論の中で行き詰ったという側面があるのも確かなことではないでしょうか。
鉄道は「公共性」のある交通機関であるという考え方で、採算を重視しない経営を続け(させられ)、それが利権を生み、むしゃぶりつくされて、破綻へ至ったのではないでしょうか。
そのツケを、いまだ「社会」は払っているのではないでしょうか。
国鉄の分割民営化後、もはや地方ローカル線が、「乗って残す」という段階にはなく、「乗らなくても金払う」スキームでないと成り立たない、というのは同情もするし、問題であろうとは思うのですが、「社会で負担」という一見すると何の問題もなさそうな「麗句」で片付けてはいけないと思うのです。
何にしても、いろいろな事例を織り交ぜて語っているけど、全体としてまとまりがなく、何を主眼として、どんな問題があって、それをどうしたいのか、ということはいまいちつかめませんでした・・・。
ちょっと残念。
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